火付け石

火付け石

火を起こすのに、昔はこうしてましたって言うのがありますよね。

はじめ人間ギャートルズみたいな時代にどうやってたかって。

いまでもパプアニューギニアの一部に残る糸のこ式、ポリネシア、メラネシアに残るヒミゾ式、ここらへんがギャートルズ時代の方法に近かそうです。

その後弓きり式、舞いきり式、紐きり式などのさらに効率が良い方法が伝わったとは思いますが、いまでも上記の土地などでは未だにその方法を用いているならば、その土地に合った(その土地で手に入れやすい物を使った)火付け法が残っていったということでしょうね。

めんどくさそうなので、一回起こすとずっと付けっぱなしだったのかしら。

火の番人がいて。

誰かが寝ちゃったりして消してしまった場合、「もー。。。またぁ?」などと火付け名人が文句を言いながら付けていたのでしょうか。

ただ、どれも熟練者になるとかなりの速さで発火出来るようで、弓きり式に至っては3?8秒ほどで可能。

ヒミゾ式などでも10秒ほどで付けれる達人もいるそうですから、いちいち付けてもいいようなものかもしれませんね。

それからは、火打石の時代になっていくのですが、TVの時代劇で見るような石と石を擦り合わせて。。。というのでは火花は出ない。

あれが火付け法だと思ってしまうと、認識不足なのですって。

火付け石そのものは、関東では常陸産のメノウが人気。

関西では京都鞍馬産の灰青色のチャート(堆積岩の一種)が人気。

と、このようになっていたのだそうですが、これをカチカチやったとて火花は出ません。

火花を出すためには金属が必要だと。

ですから火付けには、火打石と火打金があって始めて火がつけれるということなのです。

ただ伝え話す中で火打石というものは伝わっても、火打金が今の認識に残っていないのは、別に火打金でなくとも硬い金属があれば、それで火花を出すことが出来たからなのだそうです。

「絶対に火打金じゃなければ」というものでもなかったので、その火打金の認識は伝わってこなかったということです。

火打金と火打石をそれぞれの手に持ち、その火打石の方には火口(ほぐち)という火花が飛びさせすれば燃えるとうな燃えやすい繊維も火打石に重ねて持っていたようです。

そうすれば簡単に火種を作れたと。

そういえば、確かに火打石だけで火が作れるならば、お出かけ前に背中でやられたんじゃ、燃えることだったあるかもしれませんわぁ。

カチカチ山のカチカチじゃ、タヌキは火ダルマになれないということです。

うさぎはちゃんと火打石と火打金を持って挑んだんでしょうね。

お出かけ前はカチカチ

ダンナのお出かけ前などに、火打石をカチカチと背中で鳴らす所作は、時代劇でよく見ますよね。

あの行為は厄除けの意味だということは、多くの人が知るところのものです。

家の中の神様で一番最強なのは、火を司る神様なのだそうで、「一番強いアナタ、どうか御加護を!」というとこなんでしょう。

もともと古代から火は神聖なものとして扱われていましたしね。

火をコントロール出来たのは(今ですらコントロールしきれす事故にはなりますが、概ねのところしてるとして)人間だけですものね、よくよく考えると。

んでまぁ、この「お出かけ前は忘れずカチカチ」は「切り火を切る」と言って、神仏のお道具などを清める儀式としていたものが、相撲や花柳界、とび職などもするようになったものなのだそうです。

相撲や花柳界は縁起担ぎでしょうが、とび職などは命に関わる仕事ですから、御加護が必要だったのでしょう。

そういった意味で銭形平次はこの「カチカチ」を、本当にされていたかもしれませんね。

一歩外に出れば命に関わるということですから。

しかし、とある大学教授の考察によると、この「お出かけ前にカチカチ」は、明治時代にマッチの普及で売上が下がってきた火打石業者が「おまじない」としてのキャンペーンを打ち出した事により普及したもので、銭形平次のカチカチは、時代考証としてちょっと。。。ということのようです。

しかしまた別の研究家によると、この切り火は江戸中期から後期に掛けて厄除けとして行われていたことを表す文献が残っていることから、さほど不自然な話でもないとしています。

どっちなんでしょうね。

今でもそのまま花柳界や相撲ではしますし、東京門前町、下町の職人さんのおうちもしているのですから、かなり浸透したものであるには間違いがなさそうです。

お出かけ前の1動作ということに掛けて宣伝し広まったということであれば、その火打石業者さんの苦肉のアイデアは大成功ですよね。

ちょっとイナセな感じもしますしね。

どのくらいの速度で広まったのかはわかりませんが、そう考えるとクチコミの影響力というのは昔も今も確かに侮れません。

ちょっと余談ですが、日本書紀にある火の神は「イグヅチ」。

この神様は天地開闢における神代七代の最後に生まれたイザナギとイザナミの間に生まれた子です。

火の子ですから、この子が生まれたときにイザナミは陰部にヤケドを負ってしまい、それが元で死んでしまいます。

それに怒ったイザナギは、このイグヅチを殺してしまう。

その血や体からまた数々の神様が生まれるのですが、家の中で最強の神と言われている火の神様、日本書紀ではこんな扱いかい!と、ちょっと不思議な感じです。